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マンションの騒音トラブル対処法とは?騒音になる事例や対策について徹底解説!

マンションの騒音問題が気になる方へ

  • マンション購入検討中で騒音問題が気になるという方は、この記事で選ぶポイントをチェック
  • 現在マンションの騒音に悩んでいるという方は、この記事で対処法をチェック
マンションなどの集合住宅では、さまざまなトラブルが発生します。そのなかでも最も多いのが騒音によるトラブルです。
「音」といっても聞こえ方は人それぞれ。子どもの楽しそうにはしゃぐ声を元気があっていいと心地よく感じる人もいれば、うるさいと感じる人もいます。

そんな騒音トラブルを少しでも回避するにはどうしたらよいのでしょうか。
今回は、マンションで騒音トラブルになる音の種類や音量の目安、騒音トラブルに巻き込まれないためのマンションの選び方、トラブルを起こさないための対策などを紹介していきます。

目次

マンションで騒音トラブルになる音とは?

マンションにおいて「騒音」と感じる音は、いったいどこから発生しているのでしょうか。まずは音の原因と音の種類について見ていきましょう。
 

1:空気伝播音

音の種類1つ目は、空気を伝わって聞こえてくる音「空気伝播音」です。この空気伝播音で騒音の原因となりうるものは、以下のようなものがあります。

●人の話し声
人の話し声や笑い声、子どもの騒いでいる声や泣いている声などは、空気を伝わり周辺に響いています。窓を閉めていても、空気は少しのすき間があれば伝わっていきます。

●電話の呼び出し音
隣家の電話の呼び出し音が聞こえた経験のある方も多いと思います。音量を大きくしているとかなりの音となり、空気を通じ近隣に響きわたってしまいます。

●テレビなどの音、音楽
テレビや動画の音、スピーカーからの音楽なども空気を介して伝わる音です。とくに夜遅い時間などのこれらの音には注意が必要です。

●ペットの鳴き声
ペット飼育可の住宅の場合、そこに住んでいる人たちはペットに対して理解があると思い、あまり気にしないという方もおられます。しかし早朝や深夜に鳴き声をそのままにする、走り回るなど、度を過ぎた音はトラブルの原因となります。
 

2:固体伝播音

音の種類の2つ目は、床や壁・天井といった、個体が振動することで聞こえてくる「個体伝播音」です。この個体伝播音で騒音の原因となりうるものは、以下のようなものがあります。

●足音
上の階の人が歩く足音は、日常的によく聞こえてきます。普通に歩いているだけでも結構響いているということは、実感としてお分かりいただけるでしょう。子どもが走ったり飛んだりといった音は、トラブルを引き起こすぐらいの音量となるので注意しなくてはなりません。

●生活音
物の落下音、洗濯機の振動音、掃除機の音など、生活するうえで毎日出る生活音も床や壁を通じて周りの家に伝わっています。家事をする時間帯に注意したり、家電を壁に当てないなど、周りへの配慮が必要になります。

●扉の開閉音
扉の開け閉め音も、壁を伝って響いています。勢いよく閉めると、自分でもびっくりするぐらい大きな音が出ることがあります。開閉は慎重に行いましょう。

●水の音
トイレ、お風呂、キッチンなどの水を流したときに出る音も騒音になります。配管はすべてつながっているので、音が伝わりやすいのです。あまりにも音が大きい場合には、業者等に見てもらいましょう。

実際にあったマンション騒音トラブル事例

では実際にあったマンションにおける騒音トラブルの事例を、いくつか見ていきましょう。
 

事例① 階下の住人とのトラブル

一番多いのが、この階下の住人とのトラブルです。普通に暮らしていても、歩く音であったり、扉の開閉音、家事の音といった生活音は、毎日階下の住人に聞こえています。

「上階がお子さんのいるご家庭で、多少は致し方ないと思って我慢していましたが、あまりにも走り回る足音がひどく、角が立たないように話をしたがまったく改善されず、結局自分が限界を感じ引っ越した」
 

事例② 夜中に騒ぐ

お友達を家に呼んでホームパーティーをするのはいいのですが、お酒が入り夜中まで騒いでいるという騒音トラブルもよくあります。

「隣の若い夫婦が友達を呼んでパーティーをしていた。昼間はまだよかったが、夜になっても終わる気配もなく、それどころかエスカレートする一方。夜中12時を過ぎても騒いでいたので警察に連絡した」
 

事例③ 楽器の音

楽器の音が原因によるトラブルもあります。防音対策が整っていない普通の住宅で、お子さんや楽器演奏が趣味の人が楽器を演奏することは少なくありません。素敵な楽器の音色であっても、他人からしたら単なる騒音になってしまうのです。

「音楽学校に通っていた女性が昼間にピアノの練習をしていました。『ピアノの音がうるさい』と日々感じていた上階に住む男性がついに爆発し怒鳴り込みに。女性は恐怖を感じ警察に通報しました」

騒音と感じる音量の目安

騒音を数値で表すとどれくらいなのでしょうか。音の大きさを表す単位は「デシベル(db)」が一般的ですが、数値が大きいほど大きな音を表します。
環境省がマンションの騒音の基準となる数値を示しています。

●昼間(午前6時から午後10時)…55デシベル
●夜間(午後10時から午前6時)…45デシベル

静かと感じる図書館や深夜の住宅街などはだいたい40デシベル程度、人の会話・室外機の音・走行中の車内などが60デシベル程度、うるさいと感じるセミの鳴き声や走行中の電車内などが80デシベル程度です。

ちなみに環境省が示す数値はあくまで目安であって、生活音などの民間人を対象とした法的な騒音規制はありません。

騒音トラブルを防ぐ・巻き込まれないためのマンションの選び方

完全に騒音を防ぐことは難しいかもしれませんが、少しでも音のストレスを感じずに日々過ごしたいものです。
ここでは、騒音トラブルに巻き込まれないためのマンションの選び方を紹介していきます。
 

選び方① 防音に優れた構造のマンションを選ぶ

防音に優れたRC造(鉄筋コンクリート造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)を選ぶようにしましょう。木造やS造(鉄骨造)にくらべて遮音性が高く、普通の生活音ならば気にならないレベルです。

音の遮音性を示す指標「遮音等級」(L値)というものがあり、数値が低いほど遮音性能が高く、音を防いでくれます。パンフレット等に記載されているので、参考にしてください。
 

選び方② 最上階の角住戸を選ぶ

当然接している部屋が少ないほど騒音は少なくなるので、上階もなく左右どちらかが空いている最上階の角部屋がもっとも騒音リスクの低い物件となります。
ただそれだけ優れた物件なので人気があり、価格も他の物件より高くなりますのでよく検討しましょう。
 

選び方③ 壁の厚い物件を選ぶ

壁の厚みと防音は密接に関係していて、厚ければ厚いほど遮音性は高くなります。隣との壁「戸境壁」は、一般的な分譲マンションで180mmから250mmの厚みになっています。180mmあれば問題はありませんが、できれば200mm以上あるといいでしょう。
 

選び方④ 窓サッシも遮音等級の優れたものを選ぶ

窓のサッシからも音は漏れていて、注目すべきポイントになります。サッシにもJISが定める遮音性能の指標となる等級があり、音がどれくらい防げるのか数値で判断することができます。
T1からT4の4段階で表現され、1がもっとも遮音性が低く、4が高くなっています。一般的なサッシはT1レベルの遮音性で、25デシベル程度を遮音してくれます。

隙間等を改良した製品を使用しているとT3やT4レベルで、35デシベルから40デシベル程度を防いでくれます。そういったものを使用しているマンションを選ぶと、外部からの騒音をかなり押さえることができます。
 

選び方⑤ 近隣の環境を見る

マンションだけではなく、近隣の環境にも注意しましょう。近くに繁華街や駅がある場合には、夜間や週末に騒音が発生する可能性があります。
また学校や幼稚園などがある場合には、登下校の時間帯に子どもたちのにぎやかな声が聞こえるかもしれません。
 

選び方⑥ 給換気口を工夫しているところを選ぶ

換気のために設けられている給気口や換気口からも、空気とともに音が出入りしています。メーカー各社さまざまな音漏れ対策をした給排気口製品を出していますので、そういったものを使用しているマンションを選ぶようにしましょう。
 

選び方⑦ 管理規約、管理会社を確認する

マンションの管理規約には、騒音に関することも記載されています。入居前に確認し、騒音に対する注意事項やトラブルが発生した際の罰則などしっかり把握しておきましょう。

また管理会社もチェックしましょう。いざというときにしっかりと対応してくれるかどうか、マンションの管理状況を見ればある程度推測できます。

住騒音トラブルを起こさないための対策

騒音トラブルを起こさないためには、まず自分が加害者にならないように配慮することが大切です。
どういったことに気を付ければよいのか、対策方法を紹介していきます。
 

対策① 足音対策

マンションでよく見かけるフローリングは、畳にくらべて響きやすくなっています。その上にマットやカーペットを敷くだけで、かなり軽減することができます。
また、スリッパを併用することでさらに効果があがります。
 

対策② 家電音対策

掃除機や洗濯機といった家電音の対策は、使用する時間帯に気を配りましょう。寝ている人が多い深夜早朝は静かで音も響きやすいので、使用は控えたほうが無難です。

仕事などの都合でどうしてもそういった時間にやらなければならない人は、防音シートや防振マットを使用することで軽減することができます。
 

対策③ 楽器音対策

楽器からはそれなりの音が出ますので、近隣への配慮はしっかりと行いましょう。楽器を弾くときは窓や壁から離れた位置で演奏したり、防音マット、防音カーペット、防音カーテンなどの遮音アイテムを活用し音漏れを防ぎましょう。
 

対策④ 扉の開閉音対策

扉の開閉音も、壁を伝わり周辺によく響きます。一日に何回も開閉しますから音が気になる方は多く、注意が必要です。
開け閉めの際にゆっくりと行うことである程度押さえることはできますが、それでも気になるという方は、ドアの速度を調整できる「ドアチェッカー」をつけるとさらに安心です。
 

対策⑤ 子どもやペットの音対策

お子さんやペットのいるご家庭は大きい音が出やすいので、防音カーペットや防音マットなどのしっかりと防音対策されたアイテムを用いましょう。コルクやウレタンのマットでも効果はあります。
引っ越しの挨拶時に子どもやペットがいることを事前に伝えておくと印象がよくなり、トラブルにつながりにくくなります。

騒音トラブルの相談先・解決方法は?

ここまでは騒音トラブルを起こさない、巻き込まれない方法を見てきました。しかし音を完全に防ぐことは難しく、ときには巻き込まれることもあるかもしれません。そのときの対応を間違えると、大きな問題に発展する可能性があります。
そうならないために、騒音トラブルに巻き込まれたときの相談先や適切な解決方法についても紹介していきます。
 

1:知り合いの場合は話し合いをしてみる

騒音の発生元が知り合いだった場合、まずは直接話をしてみましょう。その際には感情的に相手を責め立てることはせず、穏便に話を進めることが大切です。相手の反応を見ながら、適度な注意を促しましょう。
 

2:管理組合・管理会社

騒音トラブルの一般的な対処方法は、管理会社や管理組合に相談することです。張り紙の設置などで注意喚起を行ってくれたり、分譲マンションであれば管理組合が仲裁役となり解決に導いてくれたりするでしょう。

もし発生元がわかっていたとしても、個体伝播音の場合は特定するのが難しく、勘違いの可能性もあるので、まずは管理組合等に相談するようにしましょう。
 

3:市区町村役場・保健所

お住まいの各自治体でも騒音などに対する苦情を受け付けています。市区町村では「公害苦情相談窓口」を設置しています。直接行くか、電話で相談しましょう。現地調査を行い、環境基準や条例をもとに対応してくれます。
 

4:消費生活センター

消費生活センターでも相談できます。消費生活センターは全国に約800か所設置されています。もしお近くの消費生活センターがわからないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると最寄りのセンターを案内してくれます。その後の対応方法など教えてもらえるでしょう。
 

5:弁護士

1~4までの人や機関に相談し対応しても改善の様子も見られず、また悪質な場合は、弁護士への相談も検討しましょう。その際は証拠として騒音を録画・録音しておくと有利にはたらきます。

音の感じ方は人それぞれ 思いやりをもって生活しましょう

ここまで騒音トラブルの対処法について紹介してきました。生活するうえで音をまったくなくすことは難しく、マンションなどの集合住宅では音が伝わりやすいため騒音はある程度仕方のないものです。感じ方の違いからトラブルは発生してしまいます。

一度トラブルが起きてしまうと、住みづらくなる可能性もあります。快適で静かな生活を送れるよう、お互いに思いやりをもち、生活音を抑える工夫を取り入れていきましょう。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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