マンションのリノベーションを失敗したくない方へ
- 中古マンションをリノベーションしたい方はこの記事で注意点をチェック
- 後悔しないためにも、中古マンション購入時から気を付けるべき点とは?
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この記事では、費用や立地、設備や生活環境など、中古マンションの購入に関する後悔をはじめ、マンションのリノベーションにありがちな後悔や、後悔しないためにすべきことをご紹介します。
目次
「新築物件」と「中古物件」どちらを選ぶべき?
新築物件と中古物件、どちらを選ぶべきか判断するために、それぞれのメリット・デメリットをみていきましょう。
新築物件 | 中古物件 | |
メリット | ・新しい生活を始めやすい ・新品なのでメンテナンスが楽 ・自然災害に備えられている ・通勤や通学の利便性が高いことが多い ・現代的な間取りを選べる ・税の控除が受けられる |
・価格が安い ・実物を見てから購入できる ・リフォームやリノベーションしやすい |
デメリット | ・中古物件より価格が高い ・引き渡し時に修繕積立金や管理組合準備金が発生する |
・リフォームやリノベーションの費用が高くなることがある ・断熱性や防音性が低いことがある ・修繕積立金が高い |
それぞれのメリット・デメリットで比較し、自分や家族に合った物件を選択してください。
【関連リンク】
「新築物件」と「中古物件」どちらを選ぶべき?中古物件のメリット・デメリットとは?
https://www.chuko.polusnet.com/column/detail.php?n=140
中古マンションの購入に関する後悔【お金】
費用が安く抑えられる中古マンションの購入ですが、購入後に思わぬ事態で後悔してしまうことがあります。
中古マンションとお金にまつわる後悔の例について紹介します。
将来の資産価値を考えずに購入してしまった
中古マンションは購入費用が安く済みますが、同時に考えるべきなのは売却時の資産価値です。仕事で転勤や出張の多い方は、維持費用だけでも高額になるマンションを手放す方もいるでしょう。しかし、中古マンションを売却するにあたって、資産価値が下がって売ることもできなくなるケースがあります。マンションは築年数と共に資産価値が大きく下がり、築15年以上になると半分程度まで下落することがあります。
駅の近くや人気のある立地であれば別ですが、資産価値の低いマンションは価格が大幅に下落するでしょう。将来の資産価値まで考えてマンションを購入するのがおすすめです。
相場を調べずに高い費用を支払ってしまった
マンションは立地やアクセス、人口など地域ごとに価格相場に基づいて購入費用は決定されます。中古マンションは築年数なども加味されますが、地域の相場と比較せずに購入して後悔する方が多いです。マンションを何度も買い替える方は少ないですから、マンションの相場をよくわからないまま購入してしまうことで起こる失敗です。 購入後に周囲のマンションの価格を知って、「もっと安くて便利なところがあったのに…」と後悔しないようにしましょう。
購入後に後悔しないためには、事前にその地域の価格相場を調べておくことが重要です。契約交渉の場でも相場を引き合いに出せば、わずかでも値下げへの期待が持てます。 マンション購入は大きな買い物ですから、事前の相場チェックを怠らないようにしてください。
ローン以外の費用を計算に入れていなかった
マンション購入費用のためにローンを組み、何年もかけて返済を行う方も多いはずです。ローンを組む際は自分の収入から毎月問題のない返済額を計算し、地道に返そうと考えるでしょう。しかし、ローンを組む際に忘れがちなのがマンションの維持にかかる固定費です。マンションでは管理費用や修繕積立金、固定資産税などが返済費用以外にも発生します。 諸経費が発生することをローン設計に組み込んでおらず、金銭的に厳しくなってしまう方もいます。
また、マンションによっては段階増額積立方式を採用しており、築年数に応じて修繕積立金が上がるケースも多いです。そうした費用を計算に入れていないとローン返済が困難になり、せっかく購入したマンションを手放すことになります。
ローン返済計画を立てる際は、ファイナンシャルプランナーと相談すると無理のない範囲での返済計画や、購入可能なマンションについてもアドバイスしてもらえます。 マンションのローンは自分だけで決めるのではなく、ローンの専門家に相談して決定してください。
住宅ローン控除の条件を満たしていなかった
住宅をローンで購入した場合、最大で13年間まで毎年度末のローン残高、または住宅取得対価のうち少ない方の1%相当を所得から控除してもらえます。この仕組みを住宅ローン控除と言い、一定の条件を満たせば中古マンションの購入でも利用可能です。
しかし、この条件を満たしていると思い込んでいたところ、実際にマンションを購入すると控除を受けられない場合も珍しくありません。 適用を受けるための条件は以下の通りです。
・自らが居住すること
・床面積が50㎡以上
・耐震基準を満たしていること
・住宅ローンの返済期間が10年以上
・年収が3,000万円以下
・一部の制度と併用しない
上記の条件で、耐震基準を満たすことは中古マンションで大きな課題です。
古いマンションをそのまま利用する場合、「耐震基準適合証明書」や「既存住宅性能評価書」などの認可を受けていなければなりません。 購入時に見落としやすいポイントですから、これからマンション購入する際は注意してください。
中古マンションの購入に関する後悔【立地】
お金の問題以外にも、中古マンション購入で後悔するケースはあります。
どのような後悔があるのか、立地面で後悔しやすい例を紹介します。
通勤・通学がしにくい
マンション選びで通勤・通学を考慮するはずですが、いざ住んでみると通勤・通学しにくくなるケースがあります。例えば、子どもが増えれば保育園、小学校、中学校など通学する場所も変わり、送迎しにくいケースが考えられます。また、通勤でも出張や転勤のある仕事であれば、マンションを売却せざるを得ないケースもあるでしょう。
そのため、中古マンションを購入する場合でも、子どもの成長や仕事の性質を考えて選ばなければなりません。また、購入する際は資産価値が落ちにくい物件を選び、売却しやすいマンションを選ぶことも大事にしてください。
騒音や近隣トラブルが絶えない
マンションは1つの棟に数十の家族が住んでいることから、スペースの関係上部屋の防音性が低く、トラブルメーカーの家族がいるケースもあります。 アパートのように気軽に引っ越すことも難しいため、近隣トラブルは後悔に繋がる大きな失敗です。騒音についてもマンション前に大通りがあるか、時間帯による交通渋滞が起きないか、排気ガスは多くないかなどを確認しましょう。 近隣トラブルも騒音も解決できない問題のように思われがちですが、事前に内見をするだけで簡単に判断できます。
日中の人が多い時間帯に内見を行い、どのような人が住んでいるのか、周囲の状況はどうかを確認するだけです。すべてを把握することはできませんが、確認すれば住みやすい環境かどうかがわかるでしょう。
また、不動産の管理会社に確認し、周囲の交通状況等を確認するのも有効な方法です。管理会社が情報を出し渋るようなら、信頼できない管理会社として判断する基準にもなります。
治安が悪く、安心して住めない
中古マンションが相場より安く購入できるケースや、不動産会社が価格を下げておすすめしてくる物件には注意が必要です。中古マンション購入では購入費用の問題は気になるところですが、安い物件を選ぶと結果的に後悔することがあります。よくあるのがマンションのあるエリアの犯罪発生率が高く、安心して住めないケースです。マンション購入はマンションの費用や内装、立地に目が行きがちで、マンションのあるエリア自体に意識が行かないことがあります。 購入後に周辺地域よりも著しく犯罪発生率が高いエリアで後悔した、というケースも珍しくはありません。
犯罪発生率については自治体の公式ホームページや、インターネットで検索すれば確認できます。女性の単身や子どものいるご家庭は、治安の良いエリアに住むことをおすすめします。
中古マンションの購入に関する後悔【設備】
中古マンションではお金の問題だけでなく、マンションの管理体制や設備に関する問題も起こります。
設備面での失敗例について紹介します。
修繕費用を追加徴収された
マンションには10年前後の予定で大規模修繕が計画され、入居者は修繕積立金の積立をしなければなりません。 中古マンションの購入で後悔する例として、入居のタイミングと大規模修繕工事の時期が近く、修繕積立金が十分でないケースが挙げられます。マンションの修繕積立金は段階積立方式を採用しているパターンが多く、修繕に必要な費用を増額して徴収されることがあります。 入居前にマンションについて調べていれば大規模修繕工事の予定がわかるため、入居前に管理会社に確認しましょう。
現在の耐震基準を満たしていなかった
中古マンションでよくある失敗として、「リノベ済みで条件も良かったので購入したが、後で耐震基準を満たしていないことがわかった」というケースです。 現在のマンションは1981年以降の新耐震基準を基にしていますが、それより以前のマンションは旧耐震基準や旧耐震基準に基づいているマンションもあります。 好みのマンションを購入したら新耐震基準を満たしておらず、安心して住めないという方も少なくありません。マンションの建築年が1981年6月以降であれば、新耐震基準に基づいているので安心できるでしょう。 それより以前のマンションでは耐震基準の不安もあるため、きちんと「耐震基準適合証明書」を取得しているか確認してください。 耐震基準適合証明書を取得していれば、法律に基づく耐震基準を満たしているとみなされます。
日本は地震の多い国ですから、安心して住むには耐震基準についても確認してからマンションを購入しましょう。
購入後に事故物件であることを知った
事故物件とは、自殺や殺人事件、心霊現象、墓地や宗教団体が近い、騒音や悪臭がするなど、住むうえでの問題となり得る要因のある物件です。 こうした物件に該当する場合、不動産会社には告知義務があります。しかし、不動産会社によっては告知義務を怠るケースや、意図的に隠そうとするケースもあります。立地条件や間取り、内装に比べて購入費用が安すぎる場合は、事故物件を疑うべきです。 実際に安さを理由に不動産会社から中古マンションを購入し、後で事故物件と知る方も少なからずいます。
不動産会社が隠そうとしているケースもありますから、疑わしいときは周辺の住民への聞き込みや事故物件公示サイトで情報を調べてみてください。 ほとんどの不動産会社は誠実に答えてくれるはずですから、まずは不動産会社に確認したうえで気になる方はチェックしてみましょう。
マンションの階層による特徴を知らなかった
マンションで住むなら、最上階と低層階は避けるべきとされています。 マンションの最上階といえば、社会的なステータスであるとともに、景観の良さもあって人気が高いです。 しかし、最上階に住むと人目につきにくく、犯罪に巻き込まれても発覚しにくい難点があります。逆に低層階は利便性を考えると良いですが、外部から侵入されやすく、空き巣対策は必須です。 最上階も低層階も優れた面はあるものの、万が一に備えて犯罪対策はしっかりと行いましょう。
中古マンションの購入に関する後悔【生活環境】
中古マンションのリノベーション後、生活環境で後悔する失敗例もあります。
趣味や嗜好に合わせたが、住んでいるうちに飽きてしまった
リノベーションに多い失敗の1つで、趣味や嗜好、ライフスタイルに合わせてリノベーションしたものの、こだわりすぎて落ち着けないスペースになるパターンがあります。リノベーションの良い点は自由度の高さですが、こだわりを強く出しすぎると住みやすさより奇抜さが上回ってしまいます。 奇抜な住居は最初こそ満足感を得られますが、住んでいるうちに落ち着かなくなるでしょう。
趣味や嗜好を重視することは間違っていませんが、10年20年と長く住み続けることを考えて、老後も住みやすいマンションにすることが大切です。
目の前に大きな建物ができてしまった
「マンションの前に大きなビルができて日当たりが悪くなった」という話を聞いたことのある方もいるはずです。 景観の良いマンションを購入したのに、大きなビルができて昼間でも暗くて過ごしにくくなる失敗例です。通常、マンションの購入前に不動産会社から説明されますが、行政や個人の土地に関しては不動産会社も把握しきれません。 都市開発計画で予定が出ていれば契約前に伝えてくれることも多いですが、そうでなければ予想外の出来事でショックを受けるはずです。 マンションの近隣が用途地域に指定されていれば、大きなビルは建設されにくいですから、契約前に不動産会社へ確認してみてください。
中古マンションの購入に関する後悔【その他】
これまでご紹介してきた以外にも、中古マンション購入にあたって後悔してしまうケースもあります。
マンションの規約で思い通りのリノベーションにならなかった
動かせない配管があったり、規約で玄関ドアを交換できなかったりなど、マンションのリノベーションにはどうしても制約が出てきてしまいます。購入前に規約やリノベーション可能な範囲を必ず確認しておきましょう。明るい物件と思っていたが時間帯によって暗い部屋があった
内見の際に明るく感じても、別の時間帯にとても暗くなってしまう物件もあります。日の入り方は特定の時間だけを見てもわからないため、物件の方角を確認して日差しの差し込み具合をチェックしておくと安心です。リノベーションでよくある後悔
マンションに限らず、リノベーション後悔しがちなケースをご紹介します。
キッチンにスペースを割きすぎてリビングが狭くなった
広々と快適なキッチンに憧れてL型キッチンを導入したものの、リビングも通路も狭くなってしまい、快適な空間にならないこともあります。L型キッチンは作業効率が良いと言われていますが、その分、広い設置スペースが必要です。キッチン選びはその他空間のリノベーションとのバランスを見て選びましょう。
古い窓による不具合
古い窓をそのまま使用し続けると、不具合が起きてしまう可能性もあります。古い住宅やマンションの窓はアルミサッシのシングルガラスが一般的なため、そのままにしておくと、冬の結露でのカビ、夏の暑さによる電気代の高騰などに見舞われることもあるでしょう。見た目が悪くないからといって、古い窓を継続して使うリスクを今一度考えてみてください。
マンションのリノベーションで後悔しないためにするべきこと
マンションのリノベーションを行う際、終わってから後悔しないためにすべきことを3点紹介します。
購入前に物件を隅々までチェックする
リノベーション目的でマンションを購入する場合、事前の見学で物件を隅々までチェックするとともに、管理規約もしっかりと読み込みましょう。築年数の古い物件では、外観は綺麗に見えても壁や床下が傷んでいたり、水道管・排水管の寿命を迎えていたりすることも珍しくありません。外観に問題がないと思ってリノベーションをすると、後になって水漏れや漏電など重大な問題が発生する可能性があります。
また物件の設備以外にも、管理規約もしっかり読み込まなければ失敗の原因になります。管理規約の内容によっては、理想のリノベーションをするのが難しくなることもあるからです。
例えば騒音の問題から大規模な改修には管理組合の許可が必要な場合、拒否されればリノベーション自体が頓挫することも考えられます。
リノベーションを行うために中古マンションを購入するなら、事前に物件の状況やマンション全体の管理についてもチェックしておくことが重要です。
収納スペースを考える
リノベーションをして後悔した人のケースでよくあるのが、収納スペースを考えておらず、住んでみると収納に困ってしまうことです。現代的な生活をイメージし、クローゼットや押し入れの少ない設計にすると、結果的に住みにくい物件になる可能性があります。
引越しを前提に物を減らすことを考えていたとしても、最低限の生活必需品を配置し、季節ごとに収納するスペースは考えるべきです。
また将来的に家族が増えることまで考慮するなら、収納スペースは多くても困ることはありません。
不動産会社と相談し、見えない収納やデザイン性も意識した収納スペースを作れば、理想を叶えながら使いやすい住まいが出来上がるはずです。
長く住むことを見据えて、どんな造りなら住みやすいか、収納スペースはどのくらい必要になるか検討しましょう。
建て替え計画の有無を確認する
マンションのリノベーションを行う場合、長く住むことを前提にしている方が多いはずです。しかし築古のマンションを購入した場合、旧耐震基準に該当するマンションは建て替え計画が話し合われている可能性があります。
建て替えになってしまえばせっかくのリノベーションも無駄になるため、建て替え計画の有無は絶対に確認すべきです。
また築古のマンションは共用部が老朽化していることも多く、高額な修繕積立金を支払う義務が発生することもあります。
建て替え計画の有無とともに、修繕積立金や修繕一時金の支払いなどもチェックすることが大切です。
マンションのリノベーションで理想の我が家を手に入れよう
マンションのリノベーションでの後悔しないためには、マンション購入の段階から、費用や立地、設備、生活環境などを綿密にチェックしておく必要があります。
理想の住まいを手に入れるためにも、後悔のないマンションのリノベーションを行うようにしてください。
監修者
大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。