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マンションと一戸建ての固定資産税を徹底比較!お得なのはどっち?

新しく家を購入する際、戸建てかマンションかで悩む方は多いのではないでしょうか。戸建てかマンションかを選ぶ基準の一つとなるのが、毎年課税される固定資産税の差です。この記事では、戸建てとマンションの固定資産税について紹介し、どちらの税金のほうが安いのかを比較していきます。

目次

固定資産税とは?

固定資産税は、土地や建物などの固定資産に対して課税される税金です。不動産の場合、土地と建物にそれぞれ課税されます。

固定資産税を請求されるのは、請求年の1月1日時点での所有者です。税率は固定資産税評価額の1.4%が基準となります。仮に、固定資産税評価額が1,000万円の土地であれば、年間14万円かかる計算(※各種税率の軽減は無視)です。
持ち家であれば家の維持費はかからないと思いがちですが、賃料の代わりに税金が発生するということは頭の片隅に置いておきましょう。
 

固定資産税評価額とは

固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税の算定基準とするための不動産の評価額のことです。固定資産税は、課税の基準となる固定資産税評価額に税率をかけて算出されます。固定資産税評価額は、経年劣化による価値の減少などを反映するため、3年に一度評価の変更が行われます。
固定資産税評価額がいくらかは、毎年郵送で届く「納税通知書」で確認可能です。また、市町村の固定資産税台帳でも調べることができます。
 

固定資産税の軽減措置「住宅用地の特例」とは

さきほど「固定資産税の税率は1.4%」と説明しましたが、住宅用の土地の場合は軽減税率の特例が用意されています。軽減措置を適用すると、固定資産税評価額の見積もりが大きく減少するため、実際には1.4%より安くなります。 たとえば、固定資産税の軽減措置の一つである「住宅用地の特例」を適用すると、土地の固定資産税評価額は以下のように減少します。

・小規模住宅用地(戸建てや集合住宅の敷地で200平方メートル以下の部分)
評価額に6分の1をかけて算出する。

・一般住宅用地(戸建てや集合住宅の敷地で200平方メートル超の部分)
評価額に3分の1をかけて算出する。

仮に、敷地面積400平方メートルの住宅であれば、200平方メートル分は評価額が6分の1に、残りの200平方メートル分は評価額を3分の1に圧縮して税額を計算します。

なお、住宅用地の特例は都市計画税にも適用されます。こちらは200平方メートル以内の分が3分の1に、200平方メートル超の分は3分の2に減少させて計算します。

 

固定資産税評価額の計算方法

では、具体的に固定資産税評価額はどのように計算するのでしょうか。不動産の固定資産税評価額は土地と建物で算出方法が異なります。

・土地の評価額を算出する方法
土地の面積に路線価をかけて計算します。路線価とは、地域の路線に面した標準的な土地1平方メートル当たりの評価額のことです。おおむね時価の80%程度になります。

・建物の評価額を算出する方法
家屋などの建物の評価額は、再建築価格方式で計算します。同じ家をもう一度建てたと仮定して、どの程度の費用がかかるかを見積もって評価額を算出する方法です。評価額には経年劣化による価値の減少(経年減点補正率)をかけて算出します。

なお、経年減点補正率は築年数が経過するにつれて小さくなるため、年々評価額が減少することになります。しかし、建物の評価額には20%の下限が設けられているため無限に税金が安くなるわけではありません。
このようにそれぞれ算出方法が異なるため、ひと口に「家の固定資産税」と言っても、土地と建物は別で計算する必要があります。

マンションと一戸建ての固定資産税の違い

マンションと一戸建ては、購入価格に対する土地と建物の比率が違うという性質上、固定資産税の金額に差が出ます。それぞれの税額を考えるうえでのポイントを確認していきましょう。


マンションの固定資産税

固定資産税を考えるうえでのマンションの特徴は、土地より建物の価格のほうが、全体の購入価格に占める割合が大きいという点です。マンションの土地の入居者一人当たりの所有区分は、敷地面積を戸数で割った分になるため、入居者一人当たりの土地面積は小さくなりやすいのです。

土地の面積が小さいと、前述の「住宅用地の特例」の軽減税率の恩恵を受けにくくなります。また、マンションは戸建てと比べて経年による価値の減少が緩やかなため、戸建てよりも固定資産税評価額が低くなりにくい点にも注意が必要です。
そのため、同じ購入価格の戸建てと比較すると、マンションのほうが固定資産税は高くなる傾向にあります。
 

一戸建ての固定資産税

一戸建ては、マンションと比較して敷地が広いという特徴があります。土地が広い分、住宅用地の特例のメリットを最大限に享受できるため、固定資産税が安くなります。また、耐用年数もマンションと比べて短く、固定資産税評価額の減少を大きく見積もれるのも、固定資産税が安くなる理由の一つです。
 

新築・中古マンションの固定資産税はどちらが得か

仮に全く同じ条件の新築・中古マンションで比較すると、中古マンションのほうが固定資産税は安くなります。固定資産税評価額は経年によって減算されるためです。

なお、固定資産税が安いからといって、資産として中古マンションがお得かというとそうともいえません。築年数の経過したマンションは築浅のマンションより売却価格が安くなりますし、担保としての評価も相対的に低いです。手放すときに思ったほど高くない、買うときに住宅ローンの審査に落ちるなどの懸念があります。

新築には新築の、中古には中古のメリット・デメリットがあるため、どちらがいいか迷うときは総合的に考慮したうえでの判断が必要です。

マンションと一戸建ての具体的な税額の比較

では、同じ購入価格のマンションと一戸建てを想定し、固定資産税額を比較してみましょう。
対象の物件の条件は以下のとおりです。

【購入価格に対する土地と建物の割合】
物件の購入価格:4,000万円
■戸建て
 土地:2,800万円(70%)
 建物:1,200万円(30%)
■マンション
 土地:1,200万円(70%)
 建物:2,800万円(30%)

固定資産税の評価額は、土地と建物それぞれ以下の数値で計算します。

土地評価額
(購入価格の40%)
1,120万円 480万円
建物評価額
(購入価格の25%)
300万円 700万円

以上を前提に、1年目の固定資産税を計算すると以下のようになります。
 
  戸建て マンション
土地の固定資産税額 2万6,186円 1万1,222円
建物の固定資産税額 2万1,000円 4万9,000円
合計 4万7,186円 6万222円
※土地:評価額×1.4%×6分の1で計算
※建物:評価額×1.4%×2分の1で計算
 
以上からわかるように、戸建てとマンションでは、マンションのほうが固定資産税は高くなる傾向にあります。
 
なお、今回は経年による固定資産税評価額の減少は考慮していませんが、戸建てのほうが評価額の減少は早く設定されています。10年単位など長い期間で金額を合計すると、差がより広がる場合もあります。

家は固定資産税額も考慮して選ぶのがおすすめ

マンションか戸建てかを選ぶ場合、ランニングコストも考慮して判断するのがおすすめです。固定資産税は年間で見ると数万円単位の金額になるため、購入前にどの程度かかるかシミュレーションするのがベスト。購入してから「思ったより高いかも?」という事態に陥らないよう、だいたいの税額を把握しておきましょう。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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