再建築不可物件の特徴を徹底的に教えます
- 「再建築不可物件のメリット・デメリット」を知りたい方は、この記事をチェック
- 再建築不可物件の特徴を把握すれば、有効的な活用方法が分かります
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今回の記事では、再建築不可物件の概要、メリットやデメリット、有効的な活用方法や購入時の注意点を分かりやすく解説。また、再建築を可能にする方法もご紹介します。
目次
そもそも再建築不可物件とは?
建築基準法の規定を満たさない「再建築不可物件」と呼ばれる物件があります。具体的には、どのような物件なのでしょうか?ここでは、再建築不可物件の概要と全国の物件数を解説します。
再建築不可物件とは
再建築不可物件とは、建物を新たに建てることができない土地を指します。これは、現存する建物を解体し、更地にしても同様です。都市計画区域と準都市計画区域のみに存在する物件であり、同区域で建物を建てる場合、建築基準法で定められた接道義務を満たす必要があります。
しかし、建築基準法や都市計画法が制定される1950年以前に区分された敷地や建物の中には、接道義務を満たしていない土地が存在するため、再建築不可物件となってしまうのです。
再建築不可物件の件数は?
総務省の調べによると2018年の時点で、全国にある再建築不可物件の数は、約6241万戸とされています。これは、約15件に1件が再建築不可物件となる計算です。再建築不可物件の購入メリットは?
新たな建物を建てられない再建築不可物件なのですが、特有の利点もあります。ここでは、再建築不可物件を購入するおもなメリットを見ていきましょう。
メリット① 安く買える
再建築不可物件を購入する最大のメリットは、該当物件を安く買えることです。販売価格は、物件が売りに出されるタイミングや売主の事情などに左右されるものの、近隣地域の類似物件と比較した場合1割~5割程度が相場とされています。
メリット② 税金を抑えられる
一般的な物件と比べて再建築不可物件は、固定資産評価額が低く設定されます。税金を算出する際の基準税額となる固定資産評価額が低ければ、固定資産税や都市計画税、贈与税や相続税といった税金を安く抑えることが可能です。
メリット③ 敷地を拡張できる
再建築不可物件の隣地所有者であれば、安価で敷地を拡張することができます。売主との関係や交渉の内容にもよりますが、相場の6割~7割程度で売買されるケースが多いようです。所有する土地を広げたい場合、これも魅力的なメリットに挙げられるでしょう。
再建築不可物件の購入デメリットは?
建築基準法が定められる以前に建てられた再建築不可物件は、さまざまなリスクが考えられる土地です。
ここでは、再建築不可物件を購入するおもなデメリットをご紹介します。
デメリット① 建物を建て替えられない
再建築不可物件は、建築基準法が定める接道義務を満たしていないことから、新たに建て替えることができません。新築・改築・増築・移転が認められないため、建物の老朽化や家族構成の変化などに対応できない点が最大のデメリットになってしまいます。
デメリット② 住宅ローンが利用できない
資産価値が低く評価される再建築不可物件は、担保としての価値も低くなります。そのため、金融機関から物件を担保として借入をおこなう住宅ローンを利用できないケースが大半です。住宅ローンが組めない場合、現金一括での支払いが大きな負担になるでしょう。
デメリット③ 建物が消失すると住めなくなる
再建築不可物件の購入後に建物が消失した場合、同じ場所に住めなくなってしまう点もデメリットに挙げられます。それが震災や火災など、どのような理由であっても、建築基準法を満たしていない再建築不可物件は、新しく建て替えることができないからです。
再建築不可物件の活用方法とは
デメリットの目立つ再建築不可物件でも、有効的に活用できる方法があります。たとえば、該当する建物が一定の条件を満たしている場合、リフォームやリノベーションを施せるため、新築に近い状態の建物として住むことが可能です。
また、建物を解体後、更地にした土地を駐輪場として活用してもよいでしょう。
再建築不可物件を購入する場合の注意点
実際に再建築不可物件の購入を検討する際、どのような点に気をつければよいのでしょうか?
ここでは、再建築不可物件を購入する場合の注意点を解説します。
注意点① 建物の状態
建築基準法が定められる以前に建てられた再建築不可物件は、その大半が老朽化や経年劣化の進んだ築古建物です。そのため、購入時には、基礎構造をはじめ、柱や梁、屋根や外壁、雨漏りの痕跡や床の傾き確認など、建物の状態を必ずチェックしましょう。
注意点② 日当たりや風通し
古い建物が密集している地域に多い再建築不可物件は、立地上、日当たりや風通しが悪くなりがちです。日当たりや風通しに問題があれば、雨に濡れた屋根や外壁が乾きにくくなり、必然的に建物が傷みやすくなるため、十分な注意が必要となります。
注意点③ インフラの状況
水道・電気・ガスといったインフラの状況を確認しましょう。特に密集地域の再建築不可物件であれば、万が一に備え、配管や電線などが、どこから引かれているのかを必ず把握しておくべきです。その際、隣地との境界線も確認しておくことをおすすめします。
再建築を可能にする方法はある?
建て替えができない再建築不可物件なのですが、接道義務を果たすことで、新たな建物を建てることができます。ここからは、再建築を可能にする方法を見ていきましょう。
方法① 敷地を拡張する
隣接地の所有者から土地を購入や賃借し、自分の敷地を拡張してください。そうすれば、接道部分の幅を広げたり、広い道路に接道させることができるため、建築基準法を満たすことになり、その土地での再建築が可能になります。
方法② セットバックする
敷地の一部を後退させ、道幅を確保する方法がセットバックです。もとの建物よりも建築面積が狭くなるものの、再建築不可物件を新たに建て替えることができます。また、幅4m未満の道でも、自治体が指定した道路であれば、接している建物の再建築が可能です。
方法③ 43条但し書き道路の許可申請をおこなう
建築基準法にある「43条但し書き道路」の申請をおこない、自治体の許可を得られた場合、再建築が可能になります。敷地の周囲に広い空き地がある、自治体から安全性や防火性の認定を受ける、建築審査会の同意が許可申請の下りる条件です。
再建築不可物件を購入する際は専門家に相談を
接道義務を満たしていないため、建物を新たに建てられない土地が再建築不可物件です。
安価で購入できる、税金が安くなるなどのメリットがある半面、建て替えができない、住宅ローンが組めないなどのデメリットが再建築不可物件の特徴になります。
さまざまな注意や配慮が必要となる再建築不可物件ですが、上手に活用すれば、魅力的な物件といえるでしょう。購入時は、建築家や施工会社など、専門家にご相談することをおすすめします。
監修者
大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。