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不動産売買の手付金とは?戻ってくる? 相場・種類・支払い時期などを簡単に解説

手付金という言葉を聞いたことはありますか? 不動産の売買において、手付金は重要な役割を果たします。

この記事では手付金とは何なのか、相場や支払い時期を含めて詳しく解説していきます。

目次

不動産売買における手付金と内金の違いは?

不動産の売買においては手付金以外にも内金と呼ばれるものも存在しています。
まずは手付金と内金の違いについて確認していきましょう。
 

不動産売買における手付金とは

不動産の売買における手付金とは、買主から売主に差し出されるお金で後に売買代金の一部として充当されるものです。
手付金は後に売買代金に充当されますが、それまでには契約成立の証などさまざまな法的効果を持つものになります。
 

不動産売買における内金とは

内金とは商業用語であり、法律に定めのあるものではありません。内金は売買契約の成立後、買主が売買代金の一部として支払うお金です。実務上、不動産売買においては手付金が使われることがほとんどであり、内金が利用されることはほぼありません。
 

手付金と申込金の違い

不動産売買においては、手付金を支払うのが一般的です。しかし、手付金と似た用語に申込金というものもあります。
似た場面で使われる2つの言葉ですが、意味を理解して使い分ける必要があります。

まず手付金とは不動産売買で、契約を交わす際に買主が売主に支払うお金のことです。売買契約の成立を示す証拠金の意味合いがあり、不動産の売買代金に充当されます。
手付金は売買代金の10%超、未完成物件なら5%超を支払うのが基本です。

一方の申込金は、不動産賃貸で借主が「借りたい」という意思表示の場面で支払うお金です。賃貸契約の一部の金額とされており、申込金も手付金と同じように契約が成立すると代金の一部に充当されます。

また大きな違いとして、手付金は契約を解除すると返還されませんが、申込金は要求すれば返還される点もあります。

手付金にはどんな種類があるの?

一言で手付金といっても手付金は次の3種類に大別されます。
 

①証約手付

証約手付は売買が成立した証となる手付です。契約の成立をより明確にしたいときに用いられる手付です。
 

②違約手付

違約手付は売買契約に何らかの違約事項が発生した場合の違約金として差し入れられる手付です。
買主に違約があれば手付金が没収され、売主に違約事項があれば手付金の倍額が返還されるというものです。多くの売買契約で利用されている手付です。
 

③解約手付

解約手付とは、当事者に解約権を付する目的で用いられる手付です。
買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を返還することで、損害賠償を負うことなく契約を解除することができるようになります。

手付金はなぜ必要なの?相場は?

手付金はなぜ必要とされるのでしょうか。その疑問にお答えしつつ相場についても解説していきます。
 

手付金が必要な理由

手付金が必要とされる理由はズバリ、お互いに契約を簡単にキャンセルさせないためです。
いわば手付金は売買契約が成立した証です。手付金は一度授受されると買主が自分の都合で契約を解除するには手付金の放棄をしなければなりません。

逆に売主が契約を解除する場合は受け取った手付金の倍額を支払う必要があります。このように手付金は契約に重みを持たせるために必要とされるのです。
 

手付金の相場はどれくらい?

不動産売買における手付金の相場は売買代金の5%から10%ほどになります。
なお、20%を超える手付金の授受は法律によって禁止されています。

売買キャンセルになった場合ってどうなる?

売買契約がキャンセルになってしまったら、手付金の取り扱いはどうなるのでしょうか。そんな疑問にお答えしていきます。
一般的に手付は特段の意思表示がなければ解約手付として取り扱われるため、それを前提に解説します。
 

手付金は戻らない?

実は手付金は一定の場合戻ってくることがあります。その一つが、売主の都合によってキャンセルされた場合です。この場合、支払った手付金の倍額が戻ってきます。

逆に買主の都合で契約キャンセルした場合手付金は戻ってこず、没収されてしまいます。
ただし、前述のようにキャンセルの理由が買主が住宅ローンの審査に通らなかったというような場合は自己都合でのキャンセルとはみなされず、手付金が戻ってくることがあります。
 

違約金(解約金)はもらえる?

基本的に売主から手付金の倍額の支払いにより契約解除をされた場合は違約金を受け取ることができません。手付金の倍額を払って適正に契約を解除しているのだから当然でしょう。

しかし、買主がすでに契約の履行に着手してしまっていた場合は違約金(解約金)をもらえる可能性があります。
具体的には以下のような状況です。

・代金が支払われた
・引渡しが終わっている
・引越し業者と契約している

手付金の放棄、あるいは倍額での解除ができるのはあくまでも相手方が契約の履行に着手するまでです。買主が代金を支払ったりした後はもはや契約の履行の着手前とはいえず、売主は手付金の倍額の支払いによる解除ができません。
こういった場合に無理やり解除するとなると、違約金や解約金の発生する可能性があります。
 

手付金はいつ払うの?

続いて手付金の支払い時期や支払いまでの一連の流れについて解説していきます。
 

手付金支払いの一連の流れ

手付金の授受は売買契約が成立したことの証でもあります。そのため、手付金の支払いは基本的に売買契約の成立日までに現金で行われます。不動産売買の実務では、売買契約と同時に手付金が支払われる流れになっています。

なお、手付金の支払いは現金で行われることが原則です。なぜかというと、不動産売買は金融機関の営業時間外の土日に行われることが多く、振込の方法では契約成立日に支払うことが難しいからです。

また、振込の方法では会社が倒産したり売主が行方不明になってしまった場合、手付金が戻ってこないという事態も起こりうるからです。

一方で手付金の額が大きかったり遠隔地での取引等、かえって現金での授受ではリスクが高まるという場合は、あえて振込という方法がとられることもあります。
 

手付金はローンで借りてもいいの?

手付金が高額だから、あるいは手持ちの現金が不足しているからと手付金をローンで賄うことは絶対にしないようにしてください。なぜなら、住宅ローンの審査に影響を及ぼすことがあるからです。

住宅ローンの審査を受けるとき、既に手付金のための借入金が存在してしまっていると、借入金の存在を理由に住宅ローンの審査に通らない可能性があるのです。

もし、どうしても自己資金のみで手付金が用意できない場合は、親や親族を頼るなどして金融機関や貸金業者を通さない方法で資金調達をするようにしてください。そういった方法での借り入れであれば、ローンの審査に影響を及ぼすことがありません。
 

手付金の値下げ交渉は可能?

ケースによっては、手付金を相場よりも下げてもらうことができるかもしれません。
一般的に不動産の売買契約を締結するとき、買主が売主に手付金を支払います。これは、買主と売主の双方にとっても、契約の安全を確保するために手付金が重要となってくるからです。

しかし、必ずしも手付金を相場の額面通りに支払わなければならないわけではありません。たとえば、なかなか買い手のつかない条件の厳しい土地、早急に手放したい土地など、売主と交渉の余地がある場合、手付金を相場よりも値下げしてもらえる可能性が出てきます。

手付金の値下げ交渉を行う場合、仲介に入っている不動産会社を通じ、誠意を持って売主と話し合ってみましょう。ただし、手付金を値下げしてもらえても、総トータルで支払う金額は変わりませんのでそこはご注意ください。

手付金を支払う際の注意点

手付金を支払う際に取り扱いの面で注意すべき点を2つ紹介します。
 

注意点① 手付金が返還されない場合がある

手付金は契約解除の際、売主側が原因で解除になったら手付金の倍額を返還されるのが決まりです。
しかし次の2つの例外が生じると、手付金が返ってこない可能性があります。

・売主の失踪
・不動産会社の倒産

上記2つのケースでは、売主が手付金をそのまま持ち逃げするリスクがある点に注意しなければなりません。
そのため手付金を支払う前に、売主が手付金を返還してもらうための保全措置を行っているか確認しましょう。
保全措置を行っていない場合は、売主に保全措置を行うように申し出るか、別の会社と契約することをおすすめします。
 

注意点② 手付金はローンに組み込めない

住宅を購入する際、金融機関でローンを組む方が多いです。しかし手付金は支払い能力を証明するためのお金であり、契約成立前に支払う必要があります。
そのため契約成立後に申請する住宅ローンには組み込めず、手付金を支払えるだけの資金を事前に自ら用意する必要があります。

手付金が足りない場合はカードローンでお金を用意する方法もありますが、借入金があると住宅ローンの審査が厳しくなる点は理解しなければなりません。手付金を支払えるだけの貯金をしておくのが望ましいですが、親族や友人から手付金だけ借りる方法なら住宅ローンにも影響しません。

手付金はローンに入らないことを理解したうえで、無理のない返済プランを立てましょう。

一般保証制度とは何か

一般保証制度とは、もしもの場合にローンの返済を保証してくれる制度のことです。借り手が何らかの理由でローンを返せなくなった場合、保証会社がその支払いを代行してくれます。

これにより金融機関はリスクを軽減でき、安心してローンを提供できるようになります。借り手も万が一の事態に備えることができるため、安心して住宅ローンを利用できます。
一般保証制度は宅建業法の条文に定められた消費者保護制度で、公益社団法人不動産保証協会が実施しています。
 

一般保証制度の注意点

一般保証制度を利用する際には、いくつか注意すべき点があります。まず保証会社に、保証料を支払う必要があります。この費用はローンの条件や借入金額によって異なり、返済の負担が増える可能性があるため、事前によく確認しなくてはなりません。

また、保証会社が返済を代行した場合、その後の返済計画が変更される可能性があります。一般保証制度は、万が一のリスクを軽減するための便利な制度です。しかしその内容や条件を、事前にしっかりと把握しておかなくてはなりません。

手付金は不動産の売買において重要な役割を持っています

手付金とは、売買契約成立の証として買主から売主に支払われるお金です。
手付金は一般的に解約手付として扱われ、契約の履行に着手する前であれば、手付を放棄することで買主の側から契約を解除することができます。

逆に、手付金の倍額の返還によって売主から契約を解除されてしまうこともあります。 手付金としての金銭の授受は不動産売買において重要な意味を持ちます。

不動産の売買においては契約の内容をしっかりと確認し、手付金を支払う際は手付金の役割を充分に理解したうえで支払うようにしてください。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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